パラソル(パラソル?いったい何こと?)ピンポーン 突然チャイムが鳴った。 ドタドタと音がしてリビングの勝手口から誰かが出て行った。 私はホッとしてゆっくりと棚の陰から顔を出した。 もう一度チャイムが鳴る。 私はその時初めて大声で叫んだ。 「助けて!!」 リビングは警察官や鑑識の人でごった返していた。 私は、リビングのソファーに腰掛けうなだれていた。 まるでドラマのようで現実味が全くない。私の叫び声を聞いた宅配の人が警察を呼んでくれたらしい。 「では、どういういきさつでこうなったのかを聞かせてくれないかな?宅配の人がチャイムを鳴らしたので犯人は勝手口から逃げて行った。で間違いないかな?」 私は、こっくりとうなづいた。 「君は犯人の顔は見ていない?」 もう一度うなづく。 その刑事は、藤間 明と名乗った。私から聞いたことを手帳にメモっている。 「由紀子!」 リビングの入り口に父 孝之が立っていた。 |